虫歯治療

general dentistry

虫歯について

虫歯は、お口の中に生息する細菌の活動によって歯が徐々に侵されてしまう病気です。細菌は食べ物や飲み物から得た糖分を食べて酸を作り出し、それが歯のエナメル質(最も外側の硬い層)を溶かします。初期段階では白く透明な斑点として現れますが、病状が進むと歯に穴が開き、深く広がります。この過程は痛みを伴い、治療しないと歯を失う可能性もあります。

虫歯の原因は何?

虫歯の原因は、主に以下の3つから成り立っています。1つ目は砂糖を含む飲み物や食べ物を頻繁に摂取すること。これにより、お口の中の細菌が酸を生成し、歯を侵す可能性が高まります。2つ目は適切なお口の衛生が守られていないこと。つまり、毎日のブラッシングやフロッシングが不足していると、細菌の活動が活発化し、虫歯のリスクが増えます。3つ目はフッ素を含む歯磨き粉の使用が不十分なこと。フッ素は歯の再石灰化を助け、酸による溶解から歯を保護します。これらの原因が重なることで、虫歯は進行します。

虫歯で歯が痛む女性

虫歯の進行段階

(CO)初期段階


この段階では、歯の表面にあるエナメル質が細菌の作り出す酸によりゆっくりと溶かされます。多くの場合、白っぽく見えるスポットとして現れ、この段階では無症状で見過ごされがちです。

初期虫歯イラスト

(C1)中程度の虫歯


エナメル質の下の象牙質(ぞうげしつ)まで虫歯が広がると、通常は痛みが始まります。象牙質はエナメル質よりも柔らかく、酸に対してより弱いので虫歯が進行する速度が速まります。

中度虫歯イラスト

(C3)重度の虫歯


虫歯が象牙質を完全に通過し、歯の中心部にある歯髄まで達した場合、歯髄炎となります。歯髄炎は非常に痛みを伴い、歯が感染し、腫れや口臭を引き起こします。

重度の虫歯イラスト

(C4)歯根管感染


最後の段階では、感染が歯根管に広がり、周囲の骨に影響を及ぼします。この段階を経験した人は強い痛みを感じるため、即時の治療が必要です。適切な治療がなされない場合、感染はさらに広がり、歯を失う可能性があります。

重度の虫歯

虫歯治療の内容

❶ 評価と診断


まず、詳しい検査を行い、虫歯の存在とその進行度を確認します。これには視覚的検査やX線検査などが含まれます。

❷ 麻酔


痛みを和らげるために、治療する歯やその周囲の歯茎に局所麻酔が使用されます。

❸ 虫歯の除去


次に、特殊な器具を使用して虫歯部分を取り除きます。これは、健康な歯の組織だけを残すことを目指しています。

❹ 詰め物またはクラウンの適用


虫歯を取り除いた部分は、詰め物またはクラウンで覆われ、歯の形と機能を回復します。

❺ 根管治療(必要な場合)


もし虫歯が歯髄(歯の神経)まで達している場合、歯髄を取り除き、歯根を清掃した後、詰め物やクラウンで覆う必要があります。

❻ アフターケア


治療終了後でも適切なお口のケアと定期的な検診(歯科衛生士によるクリーニングなど)を続けていきましょう。

削りすぎない治療

光学式う蝕検出装置

当院では、光学式う蝕検出装置を使っています。

光学式う蝕(虫歯)検出装置は、虫歯を見つけるための新しいツールです。これは、特別な光を歯に当てることで動き、この光は、歯を通り抜けて戻ってきます。元気な歯と虫歯がある歯は、光を違う方法で返すので、この機械はそれを見分けて判断します。


この機械を使うメリットは、無痛な上にとても正確です。なので、虫歯がまだ始まったばかりのとき(目やレントゲンで見えないとき)でも、見つけられます。虫歯を早く見つけると、より簡単な治療法を選べますし、歯を長く健康に保つことができます。


この装置導入によって、虫歯を削る治療になる前に早期発見できるようにと思っています。

光学式う蝕装置

根管治療とは?

根管治療とは、虫歯や病気が歯の根まで進行し、歯の神経組織(歯髄)が感染したり、損傷したりした場合に行われる治療方法です。

この治療は歯を救うためのもので、感染が広がるのを防ぎ、さらなる問題を予防します。根管治療は、次のステップで行われます。

❶ 診断


まず、X線を撮影し、患者様の症状を評価し、必要な治療を決定します。

❷ 麻酔


治療が始まる前に、歯と周囲の組織に局所麻酔をします。

❸ 歯髄の除去


小さな穴を歯に開け、感染した歯髄を取り除きます。

❹ 根管の清掃と形成


感染した歯髄が取り除かれた後、歯の根の内部は清掃され、形成されます。これは、再感染を防ぐためです。

❺ 根管の詰め物


清掃された根管は、感染を防ぐために特殊な材料で詰められます。

❻ 歯の修復


最後に、歯は詰め物やクラウンで修復され、その機能が回復されます。

虫歯の予防方法

「歯の質」「糖分」「菌」「時間」この4つが虫歯を作ってしまう条件です。

歯の質、糖分、菌、時間で虫歯ができます

菌が糖分(食べカス)を食べ、酸性のフンをまき散らします。

時間が経過するほど菌が繁殖し、やがて歯を溶かして虫歯になってしまいます。


虫歯を予防するために、特別な方法は必要ありません。

マウスウォッシュのイラスト

マウスウォッシュ

お口の中の菌を洗い流します

歯ブラシ

歯ブラシ

食べカスを口の中から追い出します

セルフケアグッズのイラスト

フロス

歯ブラシでは届かない歯と歯の隙間を綺麗にします。

「歯の質」には個人差があり、虫歯になりにくい歯もあれば、虫歯になりやすい歯もあります。

「しっかり歯磨きをしているのに虫歯になる・・・」という方は、人よりも虫歯になりやすいお口の状態なのかもしれません。

その場合は、歯科医院で歯の質を高める処置を行ったり、お口の状態にあった歯磨きを行うことで虫歯を防ぐことができます。


また、自分では完璧に磨けているつもりでも磨き残しを作ってしまうことがあります。

毎日の歯磨きに加えて、歯科医院へ定期検診に来ていただければ、よりお口を健康な状態に保つことができます。

治療後のメンテナンス

虫歯治療が完了し、歯が健康な状態に戻ったとき、患者様は一安心することでしょう。

しかし、虫歯治療が終わったからといって、それがすべて終わりというわけではありません。

むしろ、虫歯治療が完了した後こそ、更なる虫歯予防のための継続的なケアが必要となります。

◆虫歯の再発リスク


治療した虫歯が再び虫歯になることは少ないものの、治療済みの箇所以外の歯が虫歯になる可能性は依然として存在します。このため、定期的な検診と良好なお口のケア習慣を維持することが重要となります。

◆フッ素の適用


虫歯治療後、歯科医師からフッ素塗布の指示をすることがあります。フッ素は、歯の表面を強化し、新たな虫歯の発生を防ぐための一環です。

◆口腔衛生の維持


虫歯治療が完了したからといって、お口のケア習慣を怠るわけにはいきません。ブラッシングとフロスの使用は、お口の中の細菌の繁殖を抑え、新たな虫歯の発生を防ぎます。また、食生活の改善、特に砂糖分の高い飲食物の摂取を避けることも虫歯予防に有効です。

◆定期的な歯科検診


虫歯治療が終わったら、定期的な歯科検診を受けることが非常に重要です。早期発見、早期治療が最も効果的な虫歯の予防策であり、歯科検診はとても有効です。

「虫歯治療が終わったら終わり」と思っている方々に対して、治療後も適切なケアを続けることがお口の健康を維持するために重要であるというメッセージを伝えたいです。当クリニックでは、患者様の虫歯治療だけでなく、その後のケアについてもサポートを提供しております。何か質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

虫歯と健康問題の関係

虫歯は一見、単なるお口の中の問題のように思えますが、それはまったくの誤解です。

虫歯は実際には、お口以外の様々な健康問題を引き起こす可能性があるため、速やかな治療が必要となります。

◆心疾患との関連性


虫歯が進行し、感染が成人の歯肉に広がると、歯周病が発生する可能性があります。歯周病は、お口の中のバクテリアが血液に侵入し、心臓へと運ばれることで心疾患のリスクを増加させます。

◆糖尿病のリスク


お口の中の感染は、全身の炎症を増加させる可能性があります。これが、インスリン抵抗性の発生を助け、結果として2型糖尿病のリスクを高める可能性があります。

◆呼吸器疾患への影響


お口の中の感染が肺へと広がると、肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患のリスクを増加させます。

◆妊娠と出産に対する影響


妊娠中の歯周病は、早産や低体重出産のリスクを増加させることが研究で示されています。

◆認知機能への影響


一部の研究では、お口の中の感染がアルツハイマー病などの神経変性疾患の発症を促進する可能性があることが示唆されています。

以上のように、虫歯はお口だけでなく全身に様々な影響を及ぼす可能性があります。したがって、早期の治療と予防が大切となります。横堤にある歯医者【ふるや歯科クリニック】では、一人ひとりの患者様のお口の健康を最優先に考え、適切な治療と予防策を提供します。